顎関節・歯ぎしり

下記に該当する方は「顎関節症」かもしれません

顎関節症

あごが痛い違和感がある

 口を開けると不快な音がなる

 口を開けにくい

あごの関節は口を開けたところにあり、ここに何らかの異常「痛い・音がなる・開けにくい」といった症状のある場合は、顎関節症という慢性疾患を疑います。とくに「口を開けると不快な音がなる」といった症状は非常に多くの人に見られます。これだけでも、顎関節症が疑われることをご存じの方はほとんどおられません。気にならない範囲であれば、すぐに治療する必要はありませんが、悪化してしまう前に、当院で診察されることをお勧めいたします。

顎関節症になりやすい人とは

顎関節症となる要因は大きく分けて6つあります。

  •  骨の形態の異常
  •  ストレス
  •  悪いかみ合わせ
  •  日常の癖や習慣(片側だけでそしゃくする、うつぶせで寝る、ほおづえをつく、猫背の姿勢など)
  •  口腔悪習癖 (爪をかむ、かみしめる、歯ぎしり、口唇をかむ、ものをかむ、ガムをかむなど)
  •  ケガ

これらの要因はお子さまからお年寄りまで幅広く見られますが、もっとも患者数の多い年齢層は10代半ばから20~30代であり、その多くは女性で、男性の2~3倍かかりやすいと言われています。これらが悪化すれば、めまいや全身の痛みがみられ、ひどい場合は手術が必要となるケースもあります。また、開口障がいにより食事をとりづらくなるなど、精神的な負担を及ぼします。「あごが痛い」、「不快な音がなる」、「口を開けづらい」など、少しでもあごの異常を感じたら、顎関節症・歯ぎしりに詳しい歯科医師に相談してみましょう。


歯ぎしりはマウスガードで予防する

歯ぎしりについて(マウスガードで予防できます)就寝中に歯を強くかみしめてしまう「歯ぎしり」は、子どもから大人までよく見られる現象です。別名「ブラキシズム(口腔内悪習慣)」と呼ばれ、 あご関節症だけでなくさまざまな疾患・口腔トラブルの原因にもなるため、最近では歯ぎしりのために歯科クリニックで治療を受ける方が増えてきています。

「就寝中に強く歯を食いしばるタイプ」、「ギリギリと左右に歯をすり合わせるタイプ」、「上下の歯を連続してカタカタとぶつけるタイプ」があります。 歯ぎしりが原因で起こる症状に、「歯がひどくすり減り(歯科では咬耗と呼ぶ)」、「冷たいものを口にした時の刺激や知覚過敏」、「歯のぐらつき」、「顎関節やそしゃく筋の疲れや痛み(顎関節症)」、「歯周病の悪化」、「頭痛」などが見られます。

歯ぎしりの治療には、歯科クリニックでマウスピースを製作し、それを毎晩、就寝前に装着してから寝ます。マウスピースの装着期間は患者さまにより異なります。短期間で改善する方、長期的に使用しなければいけない方などさまざまです。なかには歯ぎしりのひどい方で、マウスピースをかみ切って割ってしまう方もおられます。そうなると再度また新しいマウスピースを作り直します。

マウスピースの製作は、まずは診察してから行います。患者さまの歯型にあったオリジナルのものを製作します。マウスピース装着により歯ぎしりが改善される方もいしゃっしゃいますが、またすぐに再発される方も多くいらっしゃいますので、その場合は改めて再度診察を受けていただきます。

毎日の生活で歯をずっとかみしめていたら、TCHを疑いましょう

TCH「TCH (Tooth Contacting Habit)」とは、上下の歯を無意識に接触させるクセのことで、それが慢性化した状態を言います。「上下の歯の接触」ときいただけでは、歯ぎしりをイメージしますが、歯ぎしりとTCHはまったく異なる症状です。

「歯ぎしり」は一時的に強くかむ状態を言いますが、「TCH」はわずかな力でも持続的に上下の歯が接触している状態を言います。一般的に食事や会話を含めた一日の歯の接触時間はたったの20分程度とされていますが、この接触時間が極端に長いクセそのものを「TCH」と呼んでいます。


TCHが原因で引き起こされる症状とは

TCHが頻繁に起こると、あごの周りの筋肉が疲労・緊張し、顎関節へ過度の負担がかかってしまいます。これが長期間にわたって続くと、あごの違和感・疲労感からはじまり、あごを開けづらくなったり、肩こり、頭痛、顎関節症へと悪化させてしまう場合があるため要注意です。また、TCHは就寝中の歯ぎしりや、強いかみしめの原因になるとも言われています。TCHと歯ぎしりは別の病気だということ、そしてそれぞれの対処法を知っていただければと思います。


TCHを改善するには

「TCH (Tooth Contacting Habit)」は無意識にしているクセですので、TCHの改善には努力と時間が必要です。

  •  TCHの改善に向けて、まずは肉体的・精神的にストレスのない環境を作りましょう。
  •  クセに気づくため、目につくところに「リラックスする」「TCH」などメモ書きをして意識しましょう。
  •  メモ書きをみては上下の歯を離してみることを何度も繰り返しましょう。

自宅でも職場でも上記のことを常にチェックする習慣を身につけましょう。この習慣を身につけることで上下の歯を離すことに慣れてきて、少しずつ快方へと向かうでしょう。また当院では、綿密なカウンセリング・検査で患者さまのお口の状態を正確に把握いたします。

どのようにTCHが起こっているかを正しく見極め、かみ合わせの調整も行いながら改善のサポートをいたします。 「私もTCHかもしれない」とお感じになられた方、TCHについてお悩みのある方は、ぜひ当院までご相談ください。当院の医師・専門スタッフが責任をもってTCHの検査・診察を行います。